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妊活中にトライしたい効果的な運動とダメな運動

監修:産婦人科医 髙嶋啓一先生

妊活中には適度な運動が妊娠にむけて良い効果をもたらすことはよく知られていますが、具体的にはどのような運動がそれに適しているのでしょうか。効果的な運動と、避けるべき運動を解説しますので、ぜひ参考に無理のない習慣として続けてみて下さいね。

目次

運動がもたらすメリット

おすすめの運動とは?

避けるべき運動とは?

実際にウォーキングをするなら気を付けたいこと


運動がもたらすメリット

妊活中に限りませんが、定期的かつ適度な運動は、病気の予防や心身の健康維持にとても重要だと言えます。具体的には、定期的に運動することで生活習慣が改善されより良いサイクルで生活できるようになります。また、筋肉量が増えることで基礎代謝が向上し、冷え性対策などの副次的な効果もあります。更に、運動はストレスの解消や抑うつ予防にも有意義だとされています。このような様々な健康効果は、女性ホルモンのバランスを保つことにも貢献し、卵子の質を安定させることに繋がります。


妊活中・妊娠時には体重の管理にも注意!

運動をすることのもう一つのメリットは、均整の取れた体型を維持して、過度の体重増加や体重減少を抑えることができます。ダイエットのために運動を習慣にし始めたという人も少なくないのではないでしょうか?

しかし妊活中には体重の低下は妊娠に悪影響で、過度なダイエットは禁物です。しかし一方で急速な体重増加にも注意しておく必要があります。


体重kg ÷ (身長m)²


この式はBMI値と言う身体の体重のバランスを見ることができる数値で、妊活中は22を目標にしましょう。定期的にこのBMI値を計算し、低体重や肥満の状態をなるべく回避して、痩せすぎたり太り過ぎたりすることなく、健康な身体で妊活に挑めるようにしておきましょう。


おすすめの運動とは?

有酸素運動

妊活中の運動でまず押さえるべきは「有酸素運動」です。有酸素運動とは、ウォーキングなどの軽め〜中程度の負荷をかけながらじっくりと行える運動のことです。


20分以上継続して行う運動

妊活中の運動では、有酸素運動を「20分以上」行うことが望ましいと考えられています。これは、脂肪の燃焼には20分以上を要するため、妊活中の過度な肥満を抑えるためにはこの時間が必要になるためです。逆にこれは、20分以上継続して行える程度の負荷の運動へと留めておく必要があるということでもあり、なるべくゆったりとした動きのヨガやピラティスなどもおすすめです。


子宮を中心として身体を温められる運動

運動により基礎代謝が向上することで自然と冷え性が改善されるなどの効果もありますが、妊活中にとりわけ常に温めておきたいのは、お腹を含めた下半身です。足などの下半身の筋肉量を増やすことで安産にもなりやすく、子宮まわりを適度に刺激してくれるウォーキング・軽めのサイクリングなども適しているといえるでしょう。


パートナーと二人で行える運動

妊活は女性だけのものではありません。できれば運動でも、パートナーには寄り添って欲しいものです。ですから、パートナーと二人で行う運動もおすすめです。例えば入浴後のストレッチやスクワットなどを同時に行うことにより、二人の仲がより深まり、リラックスした状態や関係性を保つことに繋がるでしょう。


避けるべき運動とは?

無酸素運動・激しい運動

まず「有酸素運動」とは対照をなす短距離走などの「無酸素運動」、あるいはボクシングなどの激しすぎる運動は、極力控えるようにしてください。冒頭に書いた運動によるメリットを得るためには、激しい運動は不向きです。無酸素状態が続く、あるいは激しすぎる運動を行うことで、生理周期が乱れるなどのマイナス効果が発生する可能性があります。更に、けがや関節等の障害、過労による体力の低下や身体の消耗や、ときにはかえって老化が起きることもあります。


転落や接触のリスクのある運動

運動中に転落・落下する可能性のあるスキー、バンジージャンプ、パラグライダーなどの運動は、それが発生した場合のリスクを考えると避けることが望ましいでしょう。


身体を冷やす運動

下半身を中心に、なるべく温めておくのが望ましい妊活中には、寒い場所で行うスケートなどのスポーツ、あるいは水中の運動も適度に抑えておくべきです。水泳や水中ヨガなどは有酸素運動としては優秀ですが、実施時間が長いと体温の低下につながることもあるため、実施時間に注意するようにしてください。


精神的に強いストレスのかかる運動

妊活中に、精神的なストレスはマイナス効果を生じやすいものです。高所で行う、スリルが大きい、先に述べたような様々なリスクが発生しがち、といった精神的な負荷やストレスのかかる運動は、控えるようにしてください。また、ストレスや重圧を避けるためには、勝ち負けを競うスポーツもなるべく避けるとよいでしょう。

楽しくて、いきいきと心身がリフレッシュできるスポーツ、パートナーと一緒にふたりで楽しめる共通のスポーツや運動をおすすめします。


実際にウォーキングをするなら気を付けたいこと

有酸素運動の説明のパートでも述べたように。有酸素運動は20分以上継続することで効果が出てくると言われています。最低20分、理想は30-40分を目指しましょう。

ウォーキングのペースは自分のペースで大丈夫です。早歩きをしすぎて疲れてしまい、長時間続けられないよりも、ゆっくりでいいので長時間続けることが大切です。また、毎日継続的に行うことが大切です。

より効果的にウォーキングを行うためには姿勢を意識しましょう。背筋をまっすぐと伸ばして胸を張り、頭のてっぺんが引き上げられているような姿勢で、お腹をキュッと内側に引き締めるように意識しましょう。鏡で横から見たときにS字を書くようなつもりで姿勢を作りましょう。

有酸素運動を行うにあたっては呼吸を意識することも大切です。「1秒吸って2秒吐く」のように息を吐く時間の方が長くなるように心がけましょう。


まとめ

妊活中には、健康や体重管理のためにも、有酸素運動で20分以上・かつ下半身を温められるような運動に挑戦してみましょう。

可能なら、パートナーとふたりで、一生楽しめるような共通のスポーツや運動を見つけるとリフレッシュにもつながり、おすすめします。

 

監修者プロフィール

髙嶋啓一 (Takashima Keiichi) 先生

産婦人科専門医

大阪教育大学附属高校から1年同志社大学を経て奈良県立医大卒業。産婦人科専門医。健康に良いことが大好きで、大学時代は西日本医科学生総合体育大会で個人1位。一時期、心の健康を専門にすることも考えるが、生命の誕生、妊娠、出産、育児の喜びに優るものはないと産婦人科医になる。

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