ホットフラッシュやイライラなど、更年期障害のような症状を経験し「まだ更年期じゃないのにおかしいな」と思っている人はいませんか?実は30代後半から40代はプレ更年期と呼ばれ、身体が更年期へ向けて変化する時期です。今回はプレ更年期について症状や対処法をご紹介します。
目次
・プレ更年期とは
・月経不順は更年期の始まり
・プレ更年期の症状とは?
・不調の原因は婦人科系疾患の可能性も
プレ更年期とは
更年期とは、閉経の前後5年間のことです。一般的には45~50歳ごろの10年間が更年期に当たります。
しかし、それよりも前に更年期障害のような症状を感じることがあります。30代後半~40代半ばのころは、閉経に向けて体の状態が変化する時期です。この時期のことを「プレ更年期」といいます。
月経不順は更年期の始まり
閉経を迎える時期は個人差が大きいものですが、いずれも月経が終わるころになると月経不順が見られることが多いです。月経の周期が今までよりも短くなったり、あるいは長くなったりします。また、不正出血が起こることもあります。
これらの変化は月経の終わりごろに見られることから、月経不順は更年期の始まりのサインとして捉えることができます。
プレ更年期の症状は?
閉経に向けて身体が変化していく時期である「プレ更年期」にはどのような症状がでるのでしょうか。代表的な症状と対策についてご紹介します。
汗が止まらない
閉経に向けて卵巣の機能が低下していくことで、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が減少していきます。このエストロゲンの分泌量が下がることで、血管の収縮拡張の調整がうまく行われなくなり、ホットフラッシュや多汗といった症状が現れることがあります。
ホットフラッシュとは
ホットフラッシュは、2~4分間持続する熱感や発汗のことをいいます。脈拍が増加することもあります。ほてりや発汗は、通常顔から始まり、頭部や胸部に広がっていきます。顔のみの場合や熱感はあっても発汗がない場合などもあります。
このような症状が出た場合は、締め付けない衣服で、風通しのよい部屋で休むと徐々に楽になります。深い腹式呼吸を行い、ウェットティッシュなどで首筋を冷やすのも効果的です。
また、普段からストレスや辛いものなどの刺激物を避けるようにすると予防になるでしょう。
頭痛がする
頭痛も、女性ホルモンや自律神経が乱れることで起こるプレ更年期の症状です。
頭痛には種類があります。頭の片側が脈打つようにズキンズキンと痛む頭痛は片頭痛と呼ばれます。これは特に女性ホルモンの減少の影響を受けて起こりやすい頭痛です。アルコールやカフェインの摂取を控え、暗くて静かな場所で安静に過ごしましょう。痛みを感じる部分を冷やすとより効果的です。
一方で頭全体が締め付けられるように痛む頭痛は緊張性頭痛と呼ばれます。こちらは血流の低下が原因となっていることが多いです。身体を温めるようにすると効果的です。
イライラする
女性ホルモンであるエストロゲンはセロトニンの生成にも関わっています。セロトニンは神経伝達物質の一つで幸せ、ホルモンとも呼ばれるものです。心を穏やかに、落ち着かせる効果を持っています。プレ更年期でこのエストロゲンが減少してくると、感情をコントロールしにくく、イライラしてしまうという場合があります。
不調の原因は婦人科疾患の可能性も
閉経の時期は個人差が大きいものです。早い人では40歳台前半、遅い人では50歳台後半に閉経を迎えます。そろそろ更年期に入ったかもしれない、更年期の不調が出てくるかもしれないと心の準備をし、体調に気をつけることが大切です。ストレスを調整し、睡眠や食事、入浴といった生活の基本を整え、自分を大切にしましょう。
また、更年期の症状だろうと自分で判断して我慢することはよくありません。中には他の疾患が原因となって症状が現れている場合もあります。辛い症状がある人は医療機関を受診し、不調の原因を明らかにして治療を受けましょう。