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・黄体期の女性ホルモン
・黄体期の身体の変化
・ホルモンバランスを整える方法
黄体期の女性ホルモン
黄体期は、排卵が終わってから月経が開始するまでの期間のことをいいます。排卵が終わり卵子を包む卵胞の中が空の状態になると、それが黄体と呼ばれる状態に変化します。ここから、女性ホルモンであるプロゲステロンが主に分泌されるようになります。プロゲステロンは、卵胞期の半ば頃から分泌され始めています。黄体期になるとその分泌量がエストロゲンを上回るのです。プロゲステロンが優位になっている黄体期はその影響によって、体にさまざまな変化が生じます。
黄体期の身体の変化
・基礎体温が上昇する
基礎体温とは、生命維持に必要な最小限のエネルギーしか消費していない安静状態にあるときの体温のことをいいます。
朝目覚めて、活動をする前に体温を測ることでチェックすることができます。基礎体温は低温期と高温期の二相になっています。月経が始まると体温が下がり、約2週間低温期が続きます。排卵すると基礎体温は上昇し、次の月経までの約2週間高温期が続きます。そのため黄体期には、いつもより暑いと感じたり、ほてったような感覚になったりする人もいるでしょう。
・おりものは粘度が高く白くなる
プロゲステロンの影響により、子宮頸管という器官から分泌される頸管粘液の質や量が変化します。これにより、排卵前はサラサラで量が多かったおりものが、黄体期には量が減り、粘度が高く白っぽい状態になります。洗濯が少し大変になるかもしれませんが、おりものの粘度が高く白っぽくなることは、プロゲステロンが正常に分泌されている証拠ともいえるでしょう。
・むくみやすくなる
黄体期は、プロゲステロンの作用で体が水分をため込みやすくなります。そのため、むくみやすい時期となります。手足がむくんだり、急に体重が増えたりすることもあるでしょう。また、胸の張りや痛みを感じる人もいるかもしれませんが、それもプロゲステロンによるむくみの影響です。この時期はブラジャーのサイズが1カップ大きくなる人もいるため、下着や洋服を買うことは控えた方がよいかもしれませんね。
ホルモンバランスを整える方法
このような症状はそのときは辛いかもしれませんが、プロゲステロンが正常に分泌されている証拠ともいえます。しかし、ただでさえ乱れているホルモンをさらに乱すことは不調が悪化する原因となるため避けたいものです。ホルモンバランスを乱さないために大切にしてほしいことをご紹介します。
・ストレスをためないようにしよう
ホルモンの多くは脳の指令によって分泌されます。ホルモン分泌の指令を出す脳はストレスに対してとても敏感です。私たちの体は、自分の体に危機を感じると、生命を守ろうと防衛機能が働きます。ストレスによって脳が危機を察知することもあります。そして、子宮はこの防衛機能の影響をとても受けやすいです。脳は体が危険にさらされると、生命維持に必須の臓器や機能を最優先で守ろうとします。子宮はその優先から外されます。「今は妊娠している場合ではない」と判断され、その結果、女性ホルモンの分泌が低下してしまうことがあるのです。
・栄養バランスのよい食事をとろう
規則正しく1日3回の食事を心がけましょう。
おすすめの栄養素として大豆イソフラボンをご紹介します。大豆イソフラボンは、女性ホルモンと似た働きをする作用があるので積極的に摂取することをおすすめします。身近な食品だと、納豆・豆乳・油揚げ・きな粉・味噌などから摂取することができます。しかし、1日3回も栄養バランスを意識した食事をするのは難しいという方も多いかと思います。
その場合は、サプリメントなどで補うのも方法の1つです。食材とサプリメントを上手に活用してみてくださいね。
・ストレス発散をしよう
ストレスの発散方法を考えるよりも、日常的に自分が「楽しい!」と思えることを取り入れることが大切です。そうすることで、ストレスがいつの間にか蓄積していくことも減っていくはずです。ストレスを感じる物事からは上手に距離を取り、自分自身にとって優しい選択をできるようになるとよいですね。
・涙を流そう
もし、ストレスが蓄積して辛くなってしまったときは我慢せず涙を流すことをおすすめします。涙は、コルチゾールとよばれるストレス成分を低下させる働きをします。コルチゾールとは、ストレスホルモンと呼ばれており、心身の健康に悪い影響を与えます。つまり、涙をながすことはストレスホルモンを体外に排出させるデトックス効果があるのです。また、体にはそのエネルギー作りをする「マンガン」という成分が存在します。体内のマンガンのレベルが上昇すると、怒りっぽくなったり、不安になりやすくなったりします。これが一定量を超えて蓄積されていくと、うつ病を発症する恐れがあるともいわれています。マンガンも、コルチゾールと同様に涙を流すことで体外に排出することができるのです。辛い気持ちをため込まず、外に流すことも大切です。