妊娠において黄体期が果たす役割
黄体期には、主にエストロゲンの分泌量減少とプロゲステロンの分泌量増加によって起きるホルモンバランスの変化により、女性の身体に様々な変化が起きます。端的には、女性を妊娠に導く準備が進められている状態であると言えるでしょう。
子宮内膜が変化する
エストロゲンが子宮内膜の発育を促すのに対して、黄体期に増加するプロゲステロンは発育した子宮内膜を維持して、結果として子宮内膜を卵子が着床しやすい状態にします。
おりものが変化する
エストロゲンとプロゲステロンの分泌バランスが変化することで子宮頸管から分泌される頚管粘液の量と質が変化し、これによりおりものの量が減り、粘度が高く白っぽい状態になります。この子宮頸管が妊娠の手助けをしてくれます。
乳房が張る・痛む
妊娠に備えて、乳腺が一時的に発育するため、乳房が張ることが多いです。人によっては、張りが強いと痛みを感じるケースもあります。
PMSの症状が発生する
具体的には、水分を体内にため込みやすくなることでむくみ、日中のだるさや眠気、睡眠の質低下等が発生します。また、感情面でも苛立ちを生じやすく、ナーバス・攻撃的になるケースも珍しくありません。落ち込んだり暗い気持ちになることも多く、中にはうつ状態になる人もいますから、ご本人だけではなくて、パートナーや周囲の人たちの理解が大切です。
黄体期は体を温めよう
黄体期には、原則として十分な休息をとりながら軽い運動や食事などで身体を温め、精神的・感情的にもリラックスできる状態を作ることが重要です。
冷えは体にとって良い状態ではありません。具体的には以下のような症状が起きやすくなります。
血行が悪くなる
体内に必要な栄養素が届かなくなったり、不要な老廃物を排出できなくなったりします。
免疫力が落ちる
人の身体は体温が1℃下がると免疫力が30%落ちると言われており、体温が下がるとウイルスなどに対する抵抗力が弱まるために病気のリスクが高まります。
代謝が落ちる
体温が下がることによって代謝量も低下し、脂肪燃焼がしづらくなってしまいます。
便秘やむくみになりやすい
体の冷えによって便秘やむくみといった悩みも出やすくなります。
黄体期におすすめの体の温め方
入浴
最も手軽に体を温める方法として入浴がおすすめです。38度から40度くらいのお風呂に15分程度つかるようにしましょう。じんわりと体温が上がる程度のお風呂では体温が約1度上がると言われており、血流がよくなって老廃物が排出されるなど良い効果があります。
運動
妊活中の運動には生活習慣病の予防、ストレス解消、基礎代謝の向上、抑うつの予防、体重の管理という良い効果があります。また生理周期の中で最も運動に向いているのはこの卵胞期です。卵胞期にはホルモンが安定していて体の調子が良いためです。
おすすめな運動はウォーキングです。
ウォーキングは下半身の血行が良くなり、子宮を温めることで受精卵が子宮内に着床するための環境作りができると言われています。
1日30分以上を目安に歩くと、呼吸で取り入れた酸素を使って脂肪を燃焼しエネルギーに変えるのでダイエットにも効果的です。ウォーキングは特別な道具を用意する必要もないので手軽に始めることができます。
歩くときは腕を大きく振って大股で歩くように心がけましょう。そうするとより効果的な運動になります。
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