月経期に便がゆるくなる人は多いのではないでしょうか?今回は月経期にお腹が緩くなる原因や、その対策等をご紹介します。
目次
・月経期に便が緩くなるのはなぜ?
・下痢対策には?
・ひどい下痢の症状で悩んでいる人は病院へ
月経期に便が緩くなるのはなぜ?
月経期にお腹が緩くなる原因として、生理周期にともなうホルモン量の変化が関係しています。
排卵前から排卵後にかけては、プロゲステロンの分泌量が多くなります。プロゲステロンには、子宮の収縮をおさえる作用があります。それに加えてプロゲステロンは、腸の便などを移動させるための動きである収縮運動も抑え、腸の動きを低下させる働きをします。そのため、排卵してプロゲステロンが多く分泌されると腸の動きが悪くなり、この時期は便秘になりやすくなるのです。
生理が始まるとプロゲステロンが減少するため、便秘症状は解消されます。その反面、子宮の収縮運動を大きくさせる女性ホルモンであるプロスタグランジンが分泌されます。プロスタグランジンには、腸の働きを活発にする働きがあり、排卵後に運動が小さくなっていた腸が動き出すため急にお腹が痛くなり下痢となるのです。
下痢対策には?
①冷え対策をする
ホルモンバランスの変化による下痢への対策として、からだを冷やさないようにすることを意識しましょう。おなかを温めると腸の動きが活発になりすぎるのを防ぐことができます。いつもより厚着をする、湯船につかって身体を温める、生姜など体を内側から温めてくれる食材を摂る、などをしてみましょう。
②食べ物に注意する
下痢を引き起こしやすくする食べ物は控えるようにしましょう。
辛いものや冷たいものは、腸に刺激を与えてしまい下痢を引き起こす恐れがあります。一見、体に優しそうにみえる果物や豆類も要注意です。果物や豆類に含まれる糖類や甘味剤には水分を腸内に貯める作用があるため下痢を引き起こすことがあります。コーヒーも消化管への刺激によって下痢を引き起こすことがあるため、控えるようにしましょう。
③薬を服用する
お腹がゆるくなりやすい生理の期間は、通勤通学途中や仕事中の急な下痢が心配になりますよね。そこでおすすめなのが水なしで飲める下痢止め薬です。薬局などでの購入が可能です。
また、生理期の下痢の原因はプロスタグランジンという女性ホルモンであることを説明しましたが、プロスタグランジンの過剰分泌を抑制できる鎮痛剤があることをご存じですか?これをあらかじめ服用しておくと、生理痛や下痢の予防効果が期待できます。
ひどい下痢の症状で悩んでいる人は病院へ
生理のときに下痢になるのは、よくある症状のひとつです。生理が終わるにつれて下痢の症状が軽くなっていく場合には病気などを疑う心配はありません。しかし、生理周期に関係なく下痢や便秘が続く場合は、一度病院で相談しましょう。
病気の可能性
下痢や便秘が頻繁におこる場合は、ホルモンバランスの影響だけではなく、過敏性腸症候群などの消化器系の病気になっている恐れもあります。その場合、病院で適切な治療を受けることが大切です。
漢方薬の処方
病院では、痛みを誘発するプロスタグランジンの過剰分泌を抑制させる非ステロイド系抗炎症薬や、漢方薬が処方してもらえる場合があります。
漢方薬は、血液や血液循環の異常を正常に整え、体質改善させることを目的とします。症状緩和のために体質から改善するため、下痢の症状に直接的に効果があるわけではありません。しかし、鎮痛剤と併用しながら体質改善を目指せば、次第に薬なしでも不快な下痢の症状に悩まされにくくなる可能性があります。漢方薬による治療を望む場合は、漢方医のいるクリニックで相談するようにしましょう。
低用量ピルの処方
低用量ピルも生理痛や下痢の症状をやわらげる効果が期待できます。ピルにより排卵が止まると、下痢の原因となるプロスタグランジンの生成を抑制することができます。低用量ピルは服用に体質的な条件があるため、処方の希望をする人は必ず医師の診察を受けるようにしましょう。