妊活中の月経期の過ごし方!

監修:産婦人科医 髙嶋啓一先生

妊活をしている人にとって、着床しなかったからこそ起こる月経期の到来は、ある意味で落ち込む出来事かもしれません。


ですが、月経期は同時に次の妊娠に向けて女性の身体が内部をリセットし、準備を行うとても大切な時期でもあります。内部で起こる変化を正しく知り、心身をリカバリーしてあげてください。それが今後の妊娠につながっていきます。

目次

月経期における女性の身体の変化とは?

月経期はどう過ごす?


月経期における女性の身体の変化とは?


月経期とは、妊娠周期のうち子宮内で不要となった血液を排泄し、子宮内部を綺麗な状態へと整える時期です。


具体的には、以下のような変化が起きています。


子宮内部での変化が起こる

そのまま着床しなかった場合、月経期に突入します。この時、子宮内膜の血管に変化が生じ、供給されていた血液が止まります。これにより内膜の一部が壊死して剥がれ落ち、これが月経となるのです。月経期に起こる出血には、子宮内膜にある血液と子宮組織、粘膜などが含まれ、このことによって次の着床の準備が始まります。


卵胞が成長する

月経の開始とともに、卵巣内では新たな卵胞の成長も始まります。個人差がありますが、その数はおよそ3~30個ほど。月経期間中、これらのうちの1つのみが大きく成長し、主席卵胞となります。その後月経期を終え、成長を続けた卵胞が「成熟卵胞」、つまり排卵を待つ状態となるのです。


月経期はどう過ごす?

月経期には、原則として十分な栄養を摂取し、体力を回復するよう努めてください。この時期に身体をいたわることで、妊娠しやすい身体づくりのベースが作られると言っても過言ではありません。具体的な過ごし方は、以下の通りです。


感情を抑制しすぎず、適度に発散する

まず、妊活をしている人にとって「生理が来たからといってむやみに落ち込まない」というのはある意味で残酷かもしれません。一時的にネガティブな感情になることは自然なことだと考え、感情を無視する、制御しすぎることなくまずは自分の感情を自ら受け止めてみましょう。笑うことや、楽しい会話やスポーツ、夫婦間のふれあいが一番良いのですが、それに応じたリアクションで感情を表現したり、とことん落ち込んだり悲しんだりといった発散で気分転換に繋げるのが効果的な場合もあります。


身体を温める

月経期間中、子宮や卵巣では劇的といっても良い変化が起こっています。特に月経開始から3日目あたりまでは、下腹部に強い痛みを感じる人も多いでしょう。子宮や卵巣が冷えてその働きが低下することは、妊娠にとって好ましいことではありません。ですから、下半身を中心に、極力温めておくようにすることが必要です。半身浴、カイロ、下半身への冷え対策グッズを使うなど、労りを尽くすことは良いことです。


温かく栄養の豊富な食事を摂る

月経期には、胃腸の働きも低下しがちです。また、胃腸が冷えるとすぐ近くの卵巣や子宮にも良くありません。できるだけ体温より高く、身体を内側から温めてくれる食品・飲料を中心に、バランスの良い食事を心がけましょう。この時期に急激に体重が変化すると、ホルモンバランスの乱れにも繋がるため、食べ過ぎにも要注意です。


栄養面については、原則として「8つの食品群」を意識しながら偏りなく、適度に摂ることが望ましいでしょう。

とりわけ月経期の3日前~月経期間中は、子宮内膜が剥がれ落ちることに伴う出血による失血で、鉄不足に陥る女性が多いです。十分な鉄分(レバー、マグロの赤身、牛肉、ほうれん草などが多く含有)を、吸収されやすいようにタンパク質やビタミンと一緒に摂ることをおすすめします。場合によっては、適度にサプリメントを活用する手もあります。


ゆったりとしたリズムで十分な睡眠を

体力温存が重要な期間でもあるため、月経開始直前からは、なるべくゆったりとリラックスした状態ですごせるよう、生活習慣でも穏やかさが重要です。激しい運動は避け、十分な休息をとりながら過ごしましょう。そうすることで、子宮内膜を体の外に排出するエネルギーが十分に蓄えられ、卵胞が十分に育ってくれます。


まとめ

月経期に子宮や卵巣内部で起きる変化は、女性の身体にとって大きな負担になるものです。なるべく無理をせず、栄養を取りながら穏やかに心身を回復できるように過ごしてください。

 

監修者プロフィール

髙嶋啓一 (Takashima Keiichi) 先生

産婦人科専門医

大阪教育大学附属高校から1年同志社大学を経て奈良県立医大卒業。産婦人科専門医。健康に良いことが大好きで、大学時代は西日本医科学生総合体育大会で個人1位。一時期、心の健康を専門にすることも考えるが、生命の誕生、妊娠、出産、育児の喜びに優るものはないと産婦人科医になる。