ピルでPMSや生理痛をコントロールしてみよう

監修:産婦人科医 柴田綾子先生


毎月の生理痛やPMSに悩まされていませんか?PMSや生理痛の症状が重いと、つらさの余りパートナーとの間がギクシャクしたり、気分が落ち込んだりすることも珍しくありません。


そんなつらい症状は、ピルでコントロールできるかもしれません。今回の記事では、ピルに関する基礎知識やメリット・デメリット、および自分で体調を管理することの大切さについてご紹介しています。


目次

・ピルって何?

・ピルの購入方法

・ピルはいつ飲む?生理周期との関係について

・ピルのメリット

・ピルを服用することで起こりうるデメリット



ピルって何?

ピルには主に、予期せぬ妊娠を避ける目的や、PMSや生理痛などを緩和する目的があります。妊娠を避ける目的で処方されるピルは自費となりますが、PMSや生理痛の改善が目的の場合は、保険診療の対象となっています。


ピルの購入方法

日本ではピルの市販が禁止されています。そのため、街中にあるドラッグストアなどでピルを購入することはできません。


ピルを手に入れるためには原則として医師の処方箋が必要となります。


海外からピルを購入する方法もありますが、自己判断でそのような医薬品を服用した場合、仮に副作用が起こったとしても、国による救済措置が受けられないため注意が必要です。


PMSや生理痛の改善目的の場合、保険が適用されるため、ピル1ケ月分あたりの費用負担はおよそ1,000円から2,000円となります(保険の負担割合や医療施設、サービスの診察料によって支払金額は異なります)。




ピルはいつ飲む?生理周期との関係について

生理周期とは、月経がはじまった日から、次の月経がはじまる前日までを意味しており、月経期→卵胞期→排卵期→黄体期といった4つのフェーズに分類されます。


低用量のピルは、避妊の他に生理痛を改善したり、生理の量を減らしたり、月経前症候群を改善したりする目的で服用されます。ピルは多くが21錠または28錠で1シートとなっており、休薬期間や偽薬のときに生理が来るよう調整されています。


ピルの飲み始めは原則として生理が始まった日(月経期)に服用を開始します。1日に1錠、決まった時間に服用すると飲み忘れにくく、不正出血も少なくなります。


ピルのメリット

ピルには女性ホルモンの一種であるエストロゲンとプロゲステロンが主な成分として配合されており、女性ホルモンのバランスが変化することで生じるトラブルを改善する働きがあります。それによって、次のようなメリットが得られます。


PMSや生理痛を緩和する

ピルによって女性ホルモンのバランスをコントロールすると、PMSや生理痛などの症状を緩和できます。


子宮に関する疾患のリスクを低下させる

女性の多くが子宮内膜症という婦人科系の疾患に悩まされていますが、ピルによって排卵を抑制することで、子宮内膜症や卵巣癌などの疾患の発症リスクを低減させることが期待できます。


お肌のトラブルを回避する

女性の体内でもわずかながら男性ホルモンが分泌されていますが、

ピルによって男性ホルモンの分泌を抑制すると、ニキビや吹き出物といったお肌のトラブルを軽減できます。


ピルを服用することで起こりうるデメリット

低用量ピルは比較的安全に服用できる医薬品ではあるのですが、化学的に製造された医薬品である以上、一定のリスクがともないます。ピルの服用にともなうデメリットとしては、以下のような例が挙げられます。


吐き気や頭痛

ピルの服用を開始してしばらくこのような症状が見られますが、服用を続けるうちに消失するケースがほとんどです。


血栓症

ピルの服用を開始した場合、わずかながら血栓症のリスクが高くなりますが、医学的にはピルの服用者よりも、妊娠中や産後の方が血栓症のリスクは高く見られます。



自分で体調管理をすることの大切さを知っておきましょう

低用量ピルは副作用のリスクが低く、安心して服用できる点がメリットとなっています。ただし、ピルも医薬品であり、肝臓への負担が増えることがあります。。ピルを長期に内服しているときは、健康診断や人間ドックなどで血液検査をしたら、肝臓の値に注意してみてください。


PMSや生理痛の改善には、自分で体調を管理することも重要です。最近では、大きなストレスによってPMSや生理痛の症状が増悪することも分かってきています。


普段から心身の状態を良好に保ち、適度にストレスを発散することが、PMSや生理痛の改善につながります。それでも症状が緩和しない場合は、無理をせずに産婦人科に相談しましょう。

 

監修者プロフィール

柴田綾子 (Shibata Ayako) 先生

淀川キリスト教病院 産婦人科専門医,周産期母体,胎児専門医

2011年群馬大学医学部を卒業後に沖縄で初期研修し2013年より現職。妊婦健診や婦人科外来診療をしながら女性の健康に関する情報発信やセミナーを中心に活動している。

著書:女性の救急外来 ただいま診断中!(中外医学社,2017)、産婦人科ポケットガイド(金芳堂,2020)。女性診療エッセンス100(日本医事新報社,2021)